人工透析
人工透析について
当院では、外来透析のみ行っており、JMS透析監視装置を導入し透析治療をおこなっております。 外来透析時間は、月・水・金は午前と午後の2クール、火・木・土は午前のみの1クールとなります。
透析中、患者様に少しでも癒しとなれるような工夫や、快適な透析生活を送っていただくために、スタッフ一同さまざまな努力を趣向を凝らしております。
平成27年4月より、腹膜透析外来を開始しました。
詳しくは「CAPD(腹膜透析)について」をご覧ください。
臨時(旅行・出張)透析
当院では、松山にご旅行・出張などでお越しになる方の臨時透析を随時承っております。
スタッフ一同、患者様のニーズにお応えできるよう努力いたします。お気軽にお問合せください。
現在治療を受けておられる施設とご相談のうえ、下記お問合せ先までお電話でご予約ください。患者様のスケジュールに合わせて、対応させていただきます。
- ご予約・お問合せ先
- TEL.089-931-3050
現在治療を受けておられる施設から、患者様の透析情報をファックスにてお送りください。
- ファックス送信先
- FAX.089-931-3053
事前にお知らせいただいた透析情報に基づき、透析をおこないます。
ご来院当日には、各種保険証、特定疾病療養受領証、タオル、パジャマ、テレビ鑑賞用のイヤホン等をご持参ください。
- パジャマについては、貸出(浴衣のみ)も可能です。ご予約の際にお申し出ください。
- 飲み物、お食事は当院では提供しておりません。ご持参される場合には、談話室をご利用ください。
お支払が発生する患者様には、受付にて精算いたします。
- ご利用可能なお支払い方法:現金
CAPD(腹膜透析)について
腹膜透析は、腹膜と透析膜として使い、患者さまのお腹の中の空間(腹腔)に透析液を注入して、腹膜の血管を流れる血液と透析液の間で老廃物や電解質(ミネラル)を行き来させ、血液をきれいにする方法です。汚れた透析液を体外に捨てて、新しい透析液に交換することで継続的に透析ができます。
腹膜透析には、自分で透析液を交換するCAPDと、装置が自動的に透析液を交換するAPDがあります。体調や仕事、生活様式を考え、医師やスタッフと相談して、自分たちに適した方法を選びます。
腹膜透析は、在宅で行うことができ、他の臓器への負担が少ないなどの利点があります。一方、細菌感染しやすいという欠点もあります。長く続けると、血液透析に切り替える必要が出てきます。
当院での腹膜透析診療
当院では、衛生に心がけ、患者さまがリラックスして診察を受けていただけるよう、腹膜透析外来専用の診察室を準備しております。
まず、末期腎臓病の患者さまに対して腹膜透析の紹介、説明を行います。腹膜透析に必要なカテーテルをお腹に挿入する手術および腹膜透析の開始は基幹病院と連携して行います。
腹膜透析を開始されたのちの通院は基本的に1ヶ月に1回です。受診された際に、診察、血液検査、レントゲン、カテーテル出口部の観察、処方、注射等を行います。現在透析が適正に行われているかを判断いたします。
手術や入院が必要になった場合は、基幹病院と連携して治療を行います。また、自宅において体調に異変を感じた際には、当クリニックの医師とスタッフが24時間電話対応いたします。夜間等の診察にも対応致しますので、ご安心ください。
日本腹膜透析医学会認定看護師
日本腹膜透析医学会の認定を受けた指導看護師2名が常駐し、腹膜透析外来に対応しております。腎臓病の進行をゆるやかにするために看護師による情報提供と生活指導、また、末期腎不全になった患者さまに対しては、看護師による療法選択外来も行い、きめ細やかな看護を提供するよう努めています。
当院の人工透析の特徴
天井アーチ部の青空模様
透析中、たとえテレビがつかない、見過ぎて目が疲れたという場合でもご安心ください。一度、天井へ目を向けていただくとそこは一面癒しとなる青空が広がっております。澄み切った青空!外が曇っていても、患者様の心が曇っていても、当クリニックは、院長、スタッフ共々いつでも晴天で患者様をお迎えいたします。
また、照明の明るさを無段階調整することで、お休みの際にまぶしくありません。
エアコン吹き出し口の工夫
当院は、いろいろな施設で透析業務を行ってきたスタッフの経験を活かし、建設中からひとつ工夫を施しました。それは、エアコンの吹き出し口です。通常エアコンの吹き出し口は風が4方向に送り出され、夏は冷風が直接患者さんに当たってしまいます。我々スタッフは特に気にすることはないのですが、4時間透析をされている患者さんに風が当たることなく、全体的に温度調節を行うことができます。さらに床暖房も完備しているので、冬でも快適です。
テレビ・DVD・インターネット
各ベッドに1台ずつ液晶モニターを設置しており、透析中もテレビ・DVD視聴が楽しめます。洋画、邦画、アニメなど、現在は約40タイトルほどのDVDを揃えています。もちろん患者さんご自身で、ご覧になりたいDVDを持ち込んでいただくこともできます。
また、仕事や趣味でパソコン・スマートフォンを快適にご使用いただけるよう、Wi-Fiによるインターネット環境を整えております。
全自動透析監視装置
本装置は、今までの装置とは異なり透析回路の準備、透析の開始時、また透析中の血圧低下の際に使用していた生理食塩水を一切使用していません。それに代わって使用しているのが透析液です。通常はダイアライザ(人工透析膜)の外側を流れ、血液の浄化に使用されていますが、この装置ではその透析液を使用して回路の準備や血圧低下時の補液を行っています。
しかしながら、人の体内に入るため、どの透析液でも使用できるわけではありません。そのためには、細菌や人体に影響を及ぼす物質を取り除き、国で定められた基準をクリアし、厳重に管理された透析液をつくらなければなりません。
当院は、その基準をクリアし清浄化された透析液を提供できるようにしております。また日々の業務の中でも常に管理を怠らず、基準を下回ることのないよう努めております。
長々と書き綴りましたが、結果的に患者さん自身にどう影響するかと申しますと、透析液をよりきれいにすることで、貧血の改善、透析後の倦怠感の改善等、さまざまな効果が得られます。
オンライン血液透析濾過法(On-Line HDF)
血液透析濾過法という方法は通常の血液透析の方法に血液回路の側管から補液を行いながら透析を行う方法です。その方法では、補液される量(8~14L)に限界があり求められる透析を行うことができません。
そこで、近年増えつつあるのがオンライン血液透析濾過法です。当クリニックでは開院当初より本方法を行うべく対応された透析装置を導入しておりました。本方法には、透析液の管理基準が厳しく開始までに時間を要します。
このたび、管理基準をクリアしオンライン血液透析濾過法を行えるまでとなりましたので、順次導入し患者さんに安全で快適な血液透析を提供できるようになりました。
オンライン血液透析濾過法とは
通常透析膜の中を血液が流れ、膜の外を透析液が流れます。その際に、拡散と浸透の原理を利用し、血液浄化及び水分の除去を行います。その為、透析液が血液内に大量に入ることはありません。本方法は血液回路より血液内に透析液を大量置換(40L~)させます。置換液量は多いほど透析の効果も上がります。そして、通常透析では患者さん自身の血液内の水分を除去するため、限られた物質しか除去することができません。
しかし、本方法は大量に置換された分、大量に除水を行い通常透析では取り除くことのできない物質まで除去することができます。その物質の代表がβ2マイクロクロブリンです。その他に、透析患者さん特有のかゆみの軽減や透析中の急激な血圧低下の予防にも効果があります。
しかしながら、前述したように本方法を行う為には透析液の厳しい管理が必要です。当クリニックでは透析液の清浄化に努め、透析液の管理操作を熟知したプロフェッショナルが対応し、透析患者さんが安全で快適な透析ライフを送ることができるよう日々努力と勉学を重ねております。
β2マイクロクロブリンとは
この物質は長期にわたって血液透析を行っていると、患者さんの体内に蓄積し、それはやがてアミロイドという物質を形成し骨や関節に沈着します。これが沈着することにより関節炎やしびれ、しいては関節痛の原因となり、多くの透析患者さんを悩ませることになります(透析アミロイド症)。本方法ではこの物質を効率よく除去し、透析アミロイド症を予防することができます。また最近注目されているα1マイクロクロブリンも除去することができます。